分散型無機Electroluminescence(EL)の蛍光体層に有機色素を添加した有機色素分散型ELの発光輝度の有機色素濃度依存性について検討した結果,有機色素添加量が0.1 wt%の時に最も高い輝度を示した.0.5 wt%添加した時のEL発光スペクトルの積分値は,有機色素未添加の素子の約44%と低い値を示した.これは蛍光体層内の有機色素含有量が多くなることで,無機蛍光体の光を吸収するだけで発光しない色素が現れる,いわゆる濃度消光が起ったと考えられる.有機色素添加量が最適な0.1 wt%添加の場合,添加前後のスペクトルの積分値の比が95%と高い値を示した.また,この添加量ではスペクトルの半値幅が従来の分散型ELよりも狭くなった.このような無機ELから有機色素への高効率な色変換でも無機蛍光体の発光スペクトルが有機色素の吸収帯全体をカバーすることが重要である.