電子技術,デジタル技術のもたらす利便性の影で,デジタルデータ,コンテンツの長期保管は危機に直面しています.電子記録媒体のみならず,システム,データフォーマットの寿命が10年も持たず頻繁に変更されるためです.さらに電子技術の利便性がデータ爆発を引き起こし,それに伴い保管すべきデータ量も飛躍的に増えています.今,データ,コンテンツなど,記憶の長期保管を可能にする戦略の技術基盤を議論する時期に来ています.いままで,この問題に対して半導体技術側からの取り組みは殆どされていません.しかし,既存の半導体不揮発性メモリデバイス技術にはこの問題を解決できる大きな可能性があります.半導体不揮発性メモリ技術について解説し,記憶の保管に対する危機を救うことのできる可能性を示します.さらに,長期の意味理解を保証するための方策についても議論を行ないます.