L-アラビノースは小腸スクラーゼの活性を阻害することが知られており, スクロースの過剰摂取による肥満を抑制することが期待されている。この実験では, 内臓脂肪型肥満・2型糖尿病モデルである Otsuka Long Evans Tokushima Fatty rat (OLETFラット) を用い, L-アラビノース摂取によるエネルギー消費の変化および骨格筋線維組成との関係について調べた。OLETFラットを20%スクロース食を与えるC群と20%スクロース食に1.5%L-アラビノースを添加して与えるA群に分け, 21週間飼育した。29週齢時でC群では, 内臓脂肪の重量および細胞横断面積が著しく増加したが, A群では増加は抑制され, 耐糖能試験も改善された。長指伸筋, ひらめ筋および大腿直筋の筋線維をタイプI, IIAおよびII Bに分類した。A群では脂肪燃焼比は12.8%増え, 多くの他の骨格筋と同様にタイプIとタイプIIの混合筋である大腿直筋では, タイプIが有意に増加した。これらの結果からL-アラビノースにより筋線維が解糖系から酸化系線維へ変化し, 内臓脂肪の増加を抑制することが示唆された。この筋線維組成の変化は2型糖尿病を改善すると考えられる。