アルギン酸多糖ナトリウム塩をアルギン酸リアーゼ処理して得られたアルギン酸オリゴ糖ナトリウム塩 (Na-AO) がラット血清脂質・電解質および尿中電解質に及ぼす影響について検討を行った。Na-AOは0.3g/rat/dayと0.6g/rat/dayの2通りで, 31日間強制経口投与を行った。血清検査項目では, 0.6g/rat/day投与の場合, いずれの測定日 (14, 21, 32日目) においても他の2群に対し, 有意な血清総コレステロール, HDL-コンステロール低値が認められた。そして, 32日目では, 有意な血清apoA-I低値が認められた。同時に, 血清中性脂肪の低値傾向が認められた。その他の血清検査項目および血液検査項目では, いずれも3群間に顕著な差は認められず, 日内変動の影響内であった。尿検査項目では, ナトリウム排泄量は, いずれの測定日においてもNa-AOの投与量に依存して有意な高値を, カルシウム排泄量は逆に低値傾向を示した。その他のパラメータは3群間に顕著な差は認められず日内変動の影響内であった。以上から, Na-AO0.6g/rat/day投与は血清電解質に影響を与えることなく, 血清脂質低下作用を有することが明らかとなった。そしてこの作用は主にapoA-Iを含むHDLの減少に基づくものと考えられた。