若齢期・高齢期ともにカプサイシンの投与は, CE-2を与え標準体重を維持しているラットよりも, 高脂肪食を与えて肥満状態となったラットにおいて, 体重の減少, 血漿トリグリセライド量の低下, 血漿グルコース量の上昇, 脳中エピネフィリン量の上昇に対して効果のあることを認めた。さらに若齢期と高齢期を比較すると, 若齢期は, 体重当りの基礎代謝が大きく, さらに成長のためのエネルギーを必要とするので, 若齢期におけるかプサイシン投与は, 蓄積した脂肪組織をエネルギーに変換するよりも基礎代謝等の亢進に有効に働いているのではないかと考える。一方, 高齢期では, 成長のためのエネルギーも必要がなくなるため体脂肪の蓄積が増し, カプサイシン投与により, その体脂肪をエネルギーに変換することを促進するために体重減少が生ずるのではないかと考える。