本研究ではMg欠乏食投与による組織中ミネラル分布と過酸化リン脂質量の変化たついて検討を行った。Mg欠乏食投与により血漿, 赤血球膜, 肝臓, 心臓および大動脈中PCOOH量の増加を観察した。これらの組織中過酸化リン脂質の増加は遷移元素であるFeやCuの蓄積に起因することが考えられた。Mg欠乏食投与により抗酸化酵素であるSODもしくはGPXの活性が肝臓, 腎臓, 心臓および血漿で低下した。また, Mg欠乏食投与により血漿中脂質濃度の増加が観察されており, リポタンパクが酸化傷害されている可能性が示唆された。さらに生体内DNAの酸化的損傷マーカーである8-OHdGの上昇が尿で確認された。