呉の加熱の方式を変えて豆乳, 豆腐を調製し, 加熱方式が豆乳収量や豆腐の性質に及ぼす影響について調べた。沸騰湯浴中など従来の加熱方式と比較して, 電子レンジ加熱を行ったものの豆乳収量にはほとんど変化が認められなかった。しかし, 豆乳中のタンパク質濃度は電子レンジ加熱のものが高く, 電子レンジ加熱がタンパク質の抽出に有効なことがわかった。また, 電子レンジ加熱の場合の豆腐中のトリプシンインヒビター活性は高いにも関わらず, 消化性は従来の加熱方式のものより良好であった。これは加熱方式により, 分子の運動様式が異なることに起因する可能性が示唆された。