ラットを用いて長期間 (10週間) 高Ca食を投与したときの糞便中に排泄されるミネラル (Ca, Mg, P, Fe, Cu, Zn, Na, K) 量について検討を行ったところ, 高Ca食投与により糞便量が増加し, 飼育初期は成長に影響を強く示し, 10週においてもその成長の遅れを取り戻すことはできなかった。また, 糞便中のP, Mg, Fe排泄は高Ca食投与により高値を示し, 吸収率では低下を示した。しかし, Zn, Na, Kの排泄量および吸収率は投与Ca量による影響がみられなかった。また高Ca食を投与すると, 小腸や盲腸内容物のpHが上昇した。さらに高Ca食を投与することにより, ヘモグロビン値の低下が観察された。以上のことから, 長期間の高Ca食投与はP, Mg, Feの吸収を阻害するため, 体内のP, Mg, Feの濃度に影響を引き起こすことが懸念される。