生薬に含まれ, 抗ヘルペスウイルス作用を有する加水分解型タンニン-ユーゲニインの変異原抑制活性について検討した。変異原抑制率は, 変異原物質であるTrp-P-1, Trp-P-2, 薬物代謝系酵素群を含むS9Mixによって代謝活性化されたact. Trp-P-2や1-NPを Salmonella typhimurium TA 98株に作用させ, 生じた復帰コロニー数の差によって算出した。 Trp-P-1の変異原性はユーゲニイン65μgにより50%抑制され, その他の変異原物質, Trp-P-2, act. Trp-P-2や直接変異原物質である1-NPの変異原性も強く抑制された。また, この活性は, 代謝活性によって変異原性を生じるTrp-P-1, Trp-P-2よりも直接変異原性を示すact. Trp-P-2に強く示された。以上の結果より, ユーゲニインは薬物代謝系酵素群に作用して変異原性を抑制するのではなく, 直接, 変異原物質に作用することによって抑制し, その活性はすでに同様の活性を有しているPGGと同程度であることがわかった。