成人男性54名, 女性22名 (計76名) を対象に, 血漿中カロテノイド, ビタミン濃度を調べ, 脂質濃度, 喫煙, 飲酒習慣の有無との相関について検討した結果, 以下に示す内容が明らかになった。 1) ゼアキサンチン, クリプトキサンチン, α-カロテンおよびレチノール濃度に有意な男女差が見られた。 2) カロテノイド濃度はレチノール濃度と負の相関を示し, その値はプロビタミンA活性と関連があった。α-トコフェロール濃度とカロテノイド濃度との相関は全体的に低値であった。 3) カロテノイド濃度とトリグリセリドおよび総・LDL・HDL-コレステロール濃度との相関はなかったが, レチノールとトリグリセリド, α-トコフェロールとLDL・HDL-コレステロールに有意な相関があった。 4) 喫煙習慣により血漿中のカロテノイド濃度の低下する傾向が見いだされたが, 飲酒習慣の有無によるカロテノイド濃度への影響はクリプトキサンチン以外はみとめられなかった。