離乳直後のウイスター系雄性ラットを固形飼料, 10%カゼイン飼料, あるいは10%SPI飼料で5週間飼育して, 低含硫アミノ酸飼料の肝臓アリルスルファターゼ活性に及ぼす影響について調べた。 1) AとBのコシバインド活性でみると。固形飼料群は3, 5週間ともに約32mU/mg proteinで差がなく, カゼイン飼料群では3週間飼育のものは固形飼料群と差がないが, 5週間飼育すると, 活性は約50mU/mg proteinとなり固形飼料群のものより約1.6倍に上昇した。一方, SPI飼料群のものは, 3週間で約64mU/mg proteinとなり固形飼料群の約1.9倍, 5週間で約88mU/mg proteinとなり約2.8倍に活性が上昇した。アリルスルファターゼB活性についても同じ増加の結果を得た。この活性上昇はシスチンまたはメチオニンのSPI飼料への添加で抑制された。一方, 同じリソソーム内酵素であるアリルアミダーゼ活性は3週間, および5週間飼育では固形飼料群に比べ, カゼイン飼料群およびSPI飼料群の活性は低下した。 2) ノーザンブロットおよびスロットブロットの結果, 5週間飼育ラット肝臓から得られた固形飼料群のmRNAの量は, これを1とすると, カゼイン飼料群で約1.2倍, SPI飼料群で約1.1倍となり差はなかった。