SD系雄ラットに, 炭水化物源としてシュークロースを用いた飼料を対照とし, 1~15%の乳糖, フラクトオリゴ糖, イソマルトオリゴ糖, ガラクトオリゴ糖, ラフィノースを添加した飼料を与えて飼育し出納試験を行いCa, MgおよびPの吸収率について検討した。盲腸内容物のpHおよび各種有機酸濃度との関連についても検討し, 以下の結果を得た。 飼料に対するフラクトオリゴ糖の添加は, 乳糖の添加に比較して有意にCa, Mg, Pの吸収率を上昇させた。また, この作用には用量依存性があった。 フラクトオリゴ糖のCa, Mg, Pの吸収促進作用には持続性がありこれに伴う吸収量の増大は, 骨の灰分およびCa, Mg, Pの含有率を増加させ骨化を促進した。フラクトオリゴ糖と同様に難消化性でビフィズス菌の増殖促進作用を有する少糖類のガラクトオリゴ糖, ラフィノースもCaおよびMgの吸収を増大させたが, 各少糖間で吸収促進作用に若干の差が認められた。しかし, イソマルトオリゴ糖はCa, Mg, Pの吸収率を増大させなかった。これらミネラルの吸収率と盲腸内容物中L-乳酸濃度には有意な相関が認められ, L-乳酸がラットの大腸上部からのミネラル吸収に関与していることが示唆された。