ラットの食道から直腸までの筋層間神経叢の分布と形態を免疫組織化学法, Champy-MaMet (ZIO) 法により検出した。さらに, 各部位がもつ筋層間神経叢の固有な網目模様を画燥解析により数量化した。 1) 筋層間神経叢は食道から直腸まで分布し, 神経節, 神経束, 自律神経基礎網からなる網目である。 2) 筋層間神経叢の網目は消化管の部位により異なり, それぞれの部位において固有な模様をもつ。 3) 結腸は消化管のなかでいちばん緻密な網目をもち, 食道, 胃底部, 盲腸は疎な網目をもつ。 4) 小腸では十二指腸, 空腸, 回腸と肛門側に進むにつれて, 筋層間神経叢の網目模様は疎となる。 5) 筋層間神経叢の網目が密な部位では, 神経節は大きく多数分布している。神経節と神経束がつくる網目の間隙は小さい。網目が疎な部位では神経節は小さく散在して神経束と広い間隙をつくる。 6) 消化管の部位により網目の間隙面積のヒストグラムの変異幅には相違がある。網目が緻密な部位ほど, 間隙面積のヒストグラムの変異幅は小さい。