難消化性糖質であるラクトスクロースの経口投与試験を, 健康成人を対象として実施した。 ヒト糞便を測定材料とした本試験において, 糞便性状 (固形物含有量, pHおよびSCFA濃度) は, 1日当り10.0~2.0gのラクトスクロース (LS-98) 摂取で変化しなかった。ヒト糞便の細菌叢測定で, LS-98摂取 (日量10.0gおよび5.0g) 後, Bifidobacterium の菌数ならびに占有率は著しく上昇し, 有意な変化を観察した。日量2.0gのLS-98摂取によって, Bifidobacterium の増加傾向が観察された。LS-98摂取を中止することで腸内細菌叢は摂取以前の状態に復帰した。 これらの結果から, ラクトスクロースの経口摂取は, 健康成人にとってビフィズス菌増殖因子として寄与することが明らかとなり, その最小有効摂取量は1日当り2.0g前後であることが示唆された。