実験1 健康な成人女子を被験者とし, 日常飲用する濃度の3または5倍量の茶葉を浸出させた濃い濃度の烏龍茶を負荷したときの血漿脂質の経時変化を, 空腹時ならびに脂肪食経口負荷時において観察した。 1) 血漿中の総コレステロール, HDLコレステロール, 中性脂肪およびリン脂質は, 空腹時および脂肪食負荷時ともに烏龍茶負荷の影響はみられなかった。 2) 空腹時において血漿中のFFA量は時間の経過とともに上昇するが, 鳥龍茶負荷によりFFAはさらに高値を示し, 血中への放出が有意に増加した。脂肪食経口負荷時においても烏龍茶負荷によりFFAの放出が明らかに増加した。 実験2 健康な成人女子を被験者とし, 日常飲用する普通濃度の鳥龍茶を1日7杯, 6週間飲用させ血漿脂質ならびに血中LPL, H-TGL活性の変化を観察した。 1) 烏龍茶の飲用により中性脂肪ならびにリン脂質は低値を示した。総コレステロールに変化はみられなかったが, 飲用後6週の時点において動脈硬化指数が改善された。 2) 血中のH-TGL活性には有意な変化は認められなかったが, LPL活性は烏龍茶の飲用により高い活性値を示し, その傾向は烏龍茶の飲用終了後も引き続き観察された。