脱脂オーツブラン (脱脂率78.5%) を二軸エクストルーダー (Ex) を用いて処理し, その成分ならびに組織の変化を調べるとともに, ラットに投与してコレステロール代謝に及ぼす影響を, 蒸煮したEx未処理試料と比較した。 その結果, 一般成分分析値には差が認められなかったが, 食物繊維 (DF) 組成は, 水溶性DF含量が増加し, 不溶性DF含量が減少した。不溶性DFの減少はSEMによっても観察された。 各オーツブランを高コレステロール飼料に添加してラットに投与した結果, いずれも精白米添加飼料群に比べて血清コレステロール濃度の上昇ならびに肝臓コレステロールの蓄積を抑制したが, Ex処理オーツブラン添加群のほうが血清コレステロール濃度上昇抑制効果が強い傾向にあった。 以上の結果, オーツブランのEx処理は水溶性DFの有効性を高め, ラットの血清コレステロール濃度の上昇抑制に有効な加工法であることが示唆された。