穀類ふすま (脱脂米糠, ライ麦ふすまおよびオート麦ふすま) を試料とし, Ex処理が各種ふすまの成分組成, 保水性, DF含量, 粒子形態などの性状および, ラットの消化管機能, 栄養素の消化吸収率その他の生理作用に及ぼす影響を明らかにすることを目的として実験を行った。結果は次のとおりである。 1) DF素材の成分組成は, Ex処理後もほとんど変化はなく, またDF含量およびSDFとIDFの割合ともに変化はなかった。しかし保水性はEx処理による増加がみられた。 2) SEM像からは, 脱脂米糠において, Ex処理後, 粒度が細かくなること, 脱脂米糠とオート麦ふすまにおいては, 粒子表面にやや破壊を受けることが観察された。 3) 動物試験では, Ex処理ふすまの投与により, 小腸の長さと盲腸の重量が減少することを認めた。 4) 糞の排泄量 (湿重量) はEx処理ふすまの投与による有意な低下が認められたが糞の保水性や消化管通過時間に対してはその影響がほとんどみられなかった。 5) 見かけの消化吸収率は, タンパク質ではEx処理による上昇が, 脂質では低下がみられた。各種ミネラルの見かけの吸収率は, Ex処理ふすまの投与により, Ca, P, Mg, Feにおいて低値を示したが, Na, Znにおいては差はなかった。 6) TDFの見かけの糞中排泄率はEx処理ふすま群において有意に低下し, とくに, O.B. 群ではIDF, SDFともに低下がみられた。