脱脂米ヌカから抽出, 分離したヘミセルロース標品 (RBH) による血清コレステロール上昇抑制の作用発現機構について, 高メトキシルペクチン (HMP) の作用機構と比較することにより, 検討した。コレステロール1%, コール酸ナトリウム0.25%を含む高コレステロール飼料に, RBHおよびHMPをそれぞれ2%レベル添加した飼料をラットに投与し, 9日間飼育した。 RBHとHMPは, いずれもラットの血清コレステロールの上昇抑制を示したが, コレステロール吸収率, 肝臓コレステロールの蓄積率, 糞中へのステロールの排泄量の成績から, その作用機構は異なると考えられる。1) RBHは, 外因性コレステロールの吸収を阻害せず, 肝臓コレステロールの蓄積を抑制しなかった。RBHにより中性ステロールの排泄も促進されず, 酸性ステロールの排泄のみが促進された。したがって, RBHは, 胆汁酸の排泄を促進することにより, 結果として, 血清コレステロールの上昇を抑制すると推定した。2) HMPは, 外因性コレステロールの吸収を阻害することにより, 中性ステロールの排泄を促進し, 血清ならびに肝臓コレステロール値の上昇を抑制することが確認された。