全粒オーツ (カット・タイプ) と脱脂オーツ (脱脂率83.2%) を二軸エクストルーダー (Ex) によって, 前者をバレル温度140℃と177℃の2条件, 後者を139℃の条件で処理し, その成分変化を調べるとともに, ラットに投与してコレステロール代謝に及ぼす影響を, 蒸煮したEx未処理試料と比較した。 その結果, 一般成分分析値には差が認められなかったが, 食物繊維 (DF) 含量は, 不溶性DFが減少し, 水溶性DFが増加した。 コレステロール代謝実験では, バレル温度177℃で処理したオーツは, 未処理の蒸煮オーツに比し, ラットの血清ならびに肝臓コレステロールの蓄積を低下させる傾向を示した。Ex処理脱脂オーツは, Ex未処理試料に比べて, 血清脂質への影響は認められず, 肝臓コレステロールの蓄積を抑える傾向を示した。 以上から, Ex処理したオーツは水溶性DFの溶出を増大させ, ラットの血清コレステロール上昇抑制能を増進させる傾向のあることが示唆された。