脱脂米ヌカ, 小麦フスマ, 大麦ヌカ, ハトムギヌカから抽出, 分離したヘミセルロース標品ならびに, 大麦粉, オーツ粉, ライ麦粉から抽出, 分離した穀物ガム質標品について, ヒト由来の腸内細菌, 16菌種18株による発酵試験を行った。次に, 米ヌカ由来のヘミセルロース標品 (R.B.H.) ならびに高メトキシルペクチン (H.M.P.) をラットに投与し, 腸内細菌叢の変化, 盲腸内のpH, 有機酸含量を調べた。 1) 大部分のDF標品は, グルコースに比べて発酵されにくかったが, R.B.H. は, 他の標品に比べて Bifidobacterium 属に比較的よく発酵された。H.M.P. は, 用いた菌株によっては発酵されなかった。 2) 水溶性DFをラットに投与した結果, R.B.H. 添加群は, Bifidobacterium 数が有意に増加し ( p <0.05), Bacteroidaceae数が増加傾向にあった。H.M.P. 添加群は, Bacteroidaceae数が有意に増加した ( p <0.05)。 3) R.B.H. 添加群は, 盲腸内のpHが有意に低下し ( p <0.05), 有機酸含量は酢酸が最も多かった。H.M.P. 添加群もpHの低下が認められたが, R.B.H. 添加群のpHのほうが低かった。 以上のことより, 水溶性DF, とくにR.B.H. は, 腸内環境改善作用があることが示唆された。