市販ウィンナーソーセージの脂質性状を, 脂質, 飽和脂肪酸 (SFA), モノ不飽和脂肪酸 (MUFA), 高度不飽和脂肪酸 (PUFA), コレステロール (Chol) およびα-トコフェロール (α-Toc) の含量ならびに2-チオバルビツール酸 (TBA) 値を通して調査した。 脂質性状は, 食肉加工会社および日本農林規格 (JAS) の等級によって相違が認められた。上級製品の脂質含量は標準に比較して有意に高く, このことは上級製品の有意に高いSFA, MUFA, PUFAおよびCholの含量に反映した。他方, 上級製品のα-Toc量は, 標準に比較して有意に低かったが, 上級製品のTBA値は標準に比較して有意に低く, 標準製品が脂質過酸化を受けやすいことを示唆した。 上級および標準ウィンナーソーセージを合わせた分析結果では, 脂質量とChol量との間およびTBA値とPUFA>18: 2 (二重結合を3個以上有するPUFA) 量との間には, それぞれ有意な正の相関が示されたが, α-Toc量 (ならびにα-Toc/g PUFAおよびα-Toc/9PUFA>18: 2量) とTBA値との間には有意な相関を認めなかった。