1. SHRの血圧, 血漿脂質・肝臓脂質に及ぼす中国緑茶・烏龍茶の影響 4週齢, 平均体重58~59g, 雄のSHRを8週間飼育し, 飲料水として90℃以上の熱湯にて5分間浸出させた中国緑茶 (CI群), 5倍濃度中国緑茶 (CII群), 烏龍茶 (OI群), 5倍濃度烏龍茶 (OII群) を投与した場合, 中国緑茶および烏龍茶がSHRの血圧および血漿・肝臓脂質に及ぼす影響について検討した。 血圧は, 対照群と比較して中国緑茶および烏龍茶を投与することにより, 各群実験開始後5週より有意の差で低値を示しはじめ, その血圧上昇抑制効果はCII群においては7週, CI群, OI群およびOII群においては8週の時点まで観察された。 血漿脂質ではHDLコレステロールが対照群と比較して, OII群が有意に高値を示し, 総コレステロールに対するHDLコレステロールの割合も有意の差で高値を示した。中性脂肪は, 対照群と比較してOI群およびOII群が有意の差で低値を示した。 肝臓脂質の中性脂肪は, 対照群と中国緑茶および烏龍茶投与群の間に有意の差はみられなかった。 2. 果糖誘導性高脂血症Wistarラットの血漿脂質・肝臓脂質に及ぼす中国緑茶・烏龍茶の影響3週齢, 平均体重42~43g, 雄のWistarラットを74%の割合で果糖を含む高果糖食で6週間飼育し, SHRを用いた場合と同様に飲料水として中国緑茶および烏龍茶を投与し, ラットの血漿・肝臓脂質に及ぼす影響について検討した。 高果糖食で飼育することによって, 高果糖食摂取群の対照となるHF群は, 標準食群に対し血漿および肝臓中の脂質が有意に高値を示した。 HF群に対しFCII群は血漿中の総コレステロールおよびHDLコレステロールの上昇を有意の差で抑制した。中性脂肪は, FCII群, FOI群およびFOII群において有意の差で上昇が抑制された。 肝臓脂質は, HF群と中国緑茶および烏龍茶投与群の間に有意の差はみられなかった。