アメリカオハイオ州産ビーソン種の大豆胚軸および子葉の成分および脂質の品質性状を明らかにした。 1) 胚軸および子葉脂質のAVは2.7~2.8, SVは192.1~195.7, IVは119.7~120.1と半乾性油の性質を示すものであった。胚軸の不けん化物は5.1%と子葉の約6倍ほど多く存在した。 2) 胚軸および子葉の脂質組成は, NLが92~93%, GLが4.0~4.9%およびPLが3.0~3.1%であった。 3) 胚軸および子葉のNL, GLおよびPLの脂質組成は, NLについてはTGが85.4~94.8%と高い割合を示し, GLではMGDとASGが多く, PLではPC, PEが多く認められた。 4) 胚軸および子葉のTL, NLおよびTGの主要な構成脂肪酸は, C18: 2, C18: 1, C16: 0, C18: 3であり, GLではC18: 2, C18: 1, C16: 0, PLではC18: 2, C16: 0であった。 5) 胚軸のDeMS含量は3, 967.1mg/100g脂質と子葉の約10倍ほど多く, その組成はシトステロールが約70%をしめ, ついでスティグマステロール, カンペステロール, コレステロールの順に認められた。 6) 胚軸の総Toc含量は, 219.4mg/100g脂質で子葉よりかなり多く, その組成はγ-Tocが約65%をしめ, ついでδ-Toc, α-Tac, β-Tocの順に認められた。