1) 小麦粉, デンプン修飾小麦粉およびグルテン修飾小麦粉から油脂無添加でクッキーを調製し, ショートネスを官能評価したところ, デンプン修飾によってショートネスの高いクッキーが得られた。 2) デンプン修飾クッキーは油脂添加でショートネスを出させたクッキーの組織に似ていた。 3) 小麦粉クッキー生地に比べてデンプン修飾クッキー生地は硬く, グルテン修飾クッキー生地は柔らかかった。 4) 油脂添加によって小麦デンプン糊の糊化が抑制された。 5) 脂肪酸誘導体スピンプローブ存在下で小麦デンプンを糊化させると, プローブの運動性が極度に低下した。 6) 以上の結果から, クッキーのショートネス発現はデンプン分子による油脂の脂肪酸側鎖の包接に起因すると推論した。