某女子大学学生の延べ12日分の献立および実験的に作成した2日分の献立により, 用いられた食材料 (生鮮70種, 加工・調理済66種) を市場より購入し, それを用い101種の料理を作成した。 この食材料, 料理の亜鉛含量を原子吸光法を用いて測定し, 既存文献値と比較し, さらに食材料実測値または食材料文献値を用いて料理ごとに計算による含量 (計算値) を求め実測値と比較した。 (1) 食材料実測値は既存文献値と比較するとやや低値を示した。 (2) 料理に含まれる亜鉛量は1回に摂取される分量についてみれば, 動物性食品を主材料とするものが高値であった。 (3) 食材料実測値を用いた計算値, 文献値 (含量表として最近公刊されたもの) を用いた計算値のいずれも, 実測値と高い正の相関を示したが, 前者の相関係数のほうがより1に近い0.955という値を示した。 (4) 1日あたり亜鉛摂取量はかき (oyster) 料理を含む1日が17.8mgと大きかったが, 残り13日分中12日は10mg未満であり, 1日のエネルギー, タンパク質摂取量のいずれとも有意の相関を示さなかった。