30歳代の主婦を対象とし, 7日間の陰膳について, 脂質, コレステロール, 脂肪酸を測定し, 個人差およびMB方式で得られた結果との比較について検討した。 1) 平均脂質摂取量は, 1名が40.8g/日, 他は50g/日前後であった。 2) コレステロール摂取量は, 脂質摂取量と関係なく, 3名は350~400mg/日, 3名は約500mg/日であった。 3) 摂取脂肪酸組成では, C18:1が最も多く, ついで5名がC18:2を, 1名がC16:0を多く摂取していた。C20:5, C22:6のような魚介類由来の脂肪酸摂取量は個人差が少なく, C20:5は0.5%, C22:6は1.0%程度であった。全体にモノエン脂肪酸の割合が大ぎく, 全脂肪酸の40~47%を占めた。 4) P/S比は, 日によって変動が大きかったが, 平均すると1.0前後になるものが多かった。 5) 6名の脂質摂取における平均像をMB方式の結果と比べると, 脂質摂取量, P/S比については近い値を示した。しかし, コレステロール摂取量, モノエン脂肪酸の割合は, 今回の陰膳による結果のほうがかなり多く, これは年齢による肉, 卵, 牛乳などの食品の摂取が違うためと考えられた。また, C22:1もMB方式に比べ多かったが, 加工食品に由来するものかどうか検討を加えたい。