1) 飲水制限により, 負荷食塩のいかんにかかわらず体重増加抑制をみ, 尿中カリクレイン排泄量の減少をみた。血圧は対照群にくらべ有意の差は認められないものの, 上昇傾向にあった。 2) 尿カリクレインの分泌促進機構には, アルドステロン, 血圧上昇, 細胞外液量の増大があるが, 食塩の負荷条件, 飲水量により, 尿中カリクレイン排泄量は異なった。尿カリクレイン分泌は負荷食塩により増加するが, 負荷食塩量がほぼ同じとき, 食塩水で投与するほうが高食塩食で投与するより, 血圧上昇, 尿中カリクレイン排泄量の増加作用が強かった。 3) 血漿アンギオテンシンII濃度は, 飲水制限により増加した。 4) 高食塩水投与時は尿量と尿中カリクレイン排泄量, 尿中Na排泄量と尿中カリクレイン排泄量, 血圧と尿中カリクレイン排泄量との間で有意の正の相関を示した。しかし, 高食塩食群ではこれらの測定値間には正の相関傾向を認めたが, 相関は有意差ではなかった。