無血清培養法を用いてビタミンB6欠乏条件下での動物細胞の非必須アミノ酸要求性を調べた。動物細胞としてはマウスミエローマ細胞であるMPC-11およびNS-1細胞とヒト顆粒球状細胞K562を用いた。B6存在下ではいずれの細胞もアラニン, アスパラギン, アスパラギン酸, グルタミン酸, グリシン, プロリンおよびセリンの7種の非必須アミノ酸についてはまったく要求性を示さなかった。B6非存在下ではMPC-11細胞がァラニン, セリンおよびグリシンの順で強い要求性を示したのに対し, NS-1およびK562細胞はアラニンおよびセリンのみに要求性を示した。これらの結果から, B6がアミノ酸代謝に及ぼす影響は細胞により異なっており, 細胞の違いによるアミノ酸代謝機構の差異が示唆された。