食事記録法からの摂取Na, K, Na/K比と24時間尿中排泄Na, K, Na/K比の相互関係を検討した。対象者は東京在住の栄養学を専攻する健常な女子大生8名について, 期間は24時間蓄尿を3月初旬と4月中旬の各1週間, 食事記録法は24時間蓄尿前3目からそれぞれ10日間行なった。 1) 24時間尿中排泄クレアチニン量の1週間の個人における変動係数は, 4.2~27.8%であった。 2) 食事記録法からの摂取Na量と24時間尿中排泄Na量は近似値を示し, 両者の相関係数は0.44 (p<0.001) であった。24時間蓄尿の当日が, その1, 2, 3日前に比べて高い相関関係を示した。 3) 食事記録法からの摂取K量より24時間尿中排泄K量は有意に低く, 両者の相関係数は0.32 (p<0.01) であった。 4) 食事記録法からの摂取Na/K比と24時間尿中排泄Na/K比は尿中排泄のほうが高く, 両者の相関係数は0.42 (p<0.001) であった。 5) 以上の食事記録法からの成績と24時間尿中排泄量の成績とは, 尿中クレアチニンの変動係数が小さい者ほど, いずれも全体に比べて, 高い相関関係を示した。