健康に生活している16~86歳の男女20名の日常食における連続3日間のNaとK摂取量および同じ3日間の尿中NaとKの排泄量を原子吸光法により測定し, 次の結果を得た。 1) 平常食からのNaおよびK摂取量は1人1日当たりそれぞれ7, 219±960mg, 2,212±282mg, 体重1kg当たりそれぞれ6.3±1.1mEq, 1.2±0.2mEq, 食事エネルギー100kca1当たりそれぞれ17.8±3.0mEq, 3.3±0.9mEqであった。 2) 対象を16~29歳 (Y), 33~53歳 (M), 62~86歳 (O) の3年齢層に分けて検討するとNa摂取量は, 年齢の上昇とともに低下するが, 体重1kg当たりではY群が高く, M群と0群ではほぼ等しく, 100kca1当たりではO群に高く, M群に低かった。K摂取総量はY群とM群の差は僅少であったが, O群はこれらよりやや高い値であった。体重1kg当たりおよびエネルギー100kcal当たりではO群と他2群との差は大きく, 高年齢層に高い値を示した。 3) 今回の研究条件下では, NaおよびK摂取量と血圧との間には一定の関係は認められなかった。 4) NaおよびKの24時間尿中の排泄量は, 1人1日当たりそれぞれ6,458±988mg, 1,831±337mg, 体重1kg当たり5.7±1.0mEq, 0.9±0.3mEqで, これらは摂取NaおよびK量の89.7±2.2%, 82.0±15.4%に当たった。またNaの摂取量と尿中排泄との間には危険率0.1%の有意相関が認められたが, Kの摂取量と尿中排泄量の問には相関関係は認められなかった。 5) 尿中Na排泄量と血圧との間に相関は認められなかった。 2) 尿中に排泄されたNaとKとの間には有意の正相関がみられた。 7) Na/K比は, 摂取3.2, 排泄3.7であった。