食物繊維を供給する食品である, コンブおよびシイタケを含む食餌をラットに, ペアードフィーディングで, 8日間与え, 消化酵素活性と, 消化機能におよぼす影響を検討した。また, それら食品の消化管内での形態観察をSEMで行なった。その結果, 1) 膵臓中のα-アミラーゼの総活性は, コントロール食群と比較して, コンブ食群では同様の活性, シイタケ食群では約2倍上昇した。プロテアーゼ総活性は, 両実験食群とも上昇した。 2) 小腸粘膜中の糖類水解酵素活性について, シュクラーゼ, ラクターゼ総活性は, コンブ食を与えることにより上昇した。“グルコアミラーゼ”総活性は, シイタヶ食を与えることにより低下し, 一方, マルターゼ, イソマルターゼ総活性は, ともに実験材料に影響されなかった。 3) 実験材料の消化管内でのSEMによる形態観察より, いずれも消化管通過に伴い, 徐々にその形態が崩れていくようすが観察された。 以上より, コンブおよびシイタケは, 同じ食物繊維を含む食品ではあるが, それらの性質により, 消化酵素活性に異なった影響を与えることがわかった。