DHS(Down-flow Hanging Sponge)リアクターを用いて,高塩分含有排水の効率的有機物除去とアンモニア性窒素の酸化を試みた.本リアクターに,アンモニア性窒素,フェノール,および希釈海水由来の塩化物を大量に含む人工コークス炉ガス洗浄排水(アンモニア性窒素;500mg-N· l -1,フェノール;1400mg-COD· l -1)を供給した.最終的にDHSを3台連結させ,全HRT12時間において,アンモニア性窒素除去率96.8%,COD除去率99.6%を達成した.第1段目のDHSで有機物が選択的に除去され,アンモニア性窒素は主に2∼3段目で酸化されることを確認した.付着汚泥のクローン解析を行ったところ,硝化に関与する細菌の近似クローンが,2本目以降のDHSで多く検出され,DHSの流下方向において細菌の棲み分けが確立されていることが示唆された.