世界の持続可能な発展に環境教育の充実は急務となっており,国際的な経験や情報の共有,比較を通した改善が重要と考えられる.特に日本と中国における協力は,今後,重要性をもつと言える.このため,中国における環境教育の現状を把握し,相互理解を進めることが必要と考えられる.本研究は,こうした問題意識に基づいて,環境教育において重要な役割を果たしている教科である中学校の地理に焦点を当てて,学習指導要領における環境教育に関する教育目標の変遷,教科書での環境教育記述の変遷を分析した.この結果,中国の環境教育が産業的な項目を中心しており,環境配慮教育の内容が日本に比べて少ないことを明らかにした.