ファイトレメディエーション(Phytoremediation)は植物の生理機能と代謝機能を利用した環境修復技術である.本研究は,重金属汚染土の修復に,植物の適用性を調査するため行った現地実証試験の結果をまとめたもので,栽培前期(春播き)植物では,タデ科ソバは鉛高集積植物で,鉛の植物吸収(Phytoextraction)に最も適していた.また,イネ科ライムギ,エンバク及びハゼリンソウ科ファセリアは栽培後期(秋播き)の鉛集積植物として利用できることが明らかとなった.植物を栽培した試験区の全排水量は植物を栽培していない試験区より少ない結果となり,植物の栽培で地下部への排水が抑制されることが明らかになり,鉛汚染土の拡散防止に対しても植物栽培は効果的であることがわかった.