焼却灰の有効利用は,埋立処分場の建設が困難なことから,益々重要性が増してきている.そのため,焼却灰の溶融処理,エコセメントなどが普及しつつある.しかし,これらの施設は,建設費,維持費が高額で中小の自治体では建設が困難である.そこで,本研究は都市ごみ焼却灰(飛灰を含まない)の安価な有効利用を試みた.焼却灰は有害物質の溶出が少ないことと,2mm以下の焼却灰は,ごみの燃えた灰分がほとんどであることから,焼却灰の中でも2mm以下を対象に研究した.これを粉砕したものと石炭灰,生石灰などを添加した混合物が,セメントと同様に水と混合,型枠への打設により,任意の形状を有する高強度固化体を製造できる可能性がある.さらに,この固化体の鉛の溶出量は,土壌環境基準以下となった.