本研究では,2槽式UASB反応槽と接触酸化槽を組み合わせた室内実験装置を使用して,都市下水を想定した低濃度有機性廃水を無加温で連続処理した.その結果,処理水温が平均17℃,HRT4.7hの高速処理条件下において,CODCr除去率は平均91%,T-N除去率は平均61%の処理性能を得ることができた.また,連続実験終了時のUASB槽汚泥のメタン生成活性,硫酸還元活性,他栄養性脱窒活性,硫黄脱窒活性を測定した結果,1槽目UASB槽ではメタン生成菌が,2槽目UASB槽では水素資化性硫酸還元菌と他栄養性脱窒菌が有機物分解を主に担っており,また,2槽目UASB槽では,他栄養性脱窒菌と硫黄脱窒菌が窒素除去に寄与していることを確認した.