Q-テンペ(テンペ菌で発酵させたキノア)はキノア(アンデス地方の土着擬穀類)より難消化性タンパク質と水溶性食物繊維がはるかに多かった.本報告ではラットを用い, Q-テンペとキノアのコレステロール低下作用を難消化性タンパク質, 水溶性食物繊維 (SDF), 肝臓のコレステロール7α-水酸化酵素活性の面から研究した.キノアとQ-テンペはいずれも血清コレステロールレベルを低下させ, 糞中へのステロイド排泄を促進したが, Q-テンペはこれらの作用がキノアより強かった.Q-テンペで飼育したラットは盲腸における内容物と短鎖脂肪酸(SCFAs)の生成量が多く, コレステロール7α水酸化酵素活性が強かった.これらの結果から, Q-テンペの血清コレステロール低下作用は難消化性タンパク質やSDFによる小腸からのステロイドの再吸収阻害, 肝臓におけるコレステロール7α水酸化酵素によるコレステロール異化作用の促進やSCFAsによるコレステロール合成阻害の総合作用によるものであろう.