アルミニウムの体外排泄の可能性を調べるため, ヒト胃条件下でのpHにおけるDFとアルミニウムの結合安定性について検討した.野菜および海藻, きのこ等13種の食品からProsky変法によりIDF, SDF画分を抽出し, エリオクロムシアニン法, クロマズロールS吸光光度法, 原子吸光法によりアルミニウム結合量を測定した。これらのDFはいずれもアルミニウムを結合した.粘性を有するアロエSDFで極めて高い値を示した.またpHを2.0にすると, DF画分のアルミニウム結合量はほとんどの試料で著しく低下した.次に, 高, 中, 低粘度のアルギン酸ナトリウムのpHを酸性側にすると粘度, アルミニウム結合量ともに著しく減少した.このことからアロエ等粘性を有するDFのアルミニウム結合には, 化学的結合の他, 物理的吸着が関与している可能性が高いことが示唆された.