ゼラチン溶液に各種糖を添加した場合のゲル化機構を明らかにするために動粘度モニタリングシステム, 旋光度, 動的粘弾性, レオメーターによる力学的特性及び17O-NMRのスピン-格子緩和時間 ( T 1) の測定を行い, 得られた知見を以下にまとめた. 1) 各種糖添加により, 対照と比べてゲル化が早く始まり, 高温側でゲル化し, ゲル化完了までに長時間を要した. 2) ゲル化は, まず粘性率が増加する現象に始まり, 続いて弾性率の増加, 最後に旋光度という順で変化が起きていた. 3) 各種糖添加試料はいずれも対照と比べて硬いゲルを形成したが, 糖の種類によりゲル強度に差がみられた. 4) ゼラチンゲルの状態と共存する糖の種類との関係について, 17O-NMRのスピン-格子緩和時間 ( T 1) の測定を行ったところ, 糖の赤道結合 (e-OH) の数に関係があることが示唆された.