生徒が興味・関心をもって取り組めること, 家族や社会とのかかわりを重視すること, 住生活を総合的にとらえさせることを目的に, 高等学校家庭科の住生活領域の授業実践を行った.授業は以下の方針に基づいて構成した. (1) 自分の生涯を3つのライフステージ (一人の生活, 家族との生活, 老後の生活) に分けて授業構成を行う. (2) 各ライフステージには, 室内外の環境, 室内外の安全性, 生活費と家賃, 生活時間を学習内容として取り入れる. (3) 住宅選択という意思決定場面を導入する. これらの方針のもとに, 計9時間の授業を設計し, 実践した.授業案に取り入れた学習内容については, 予定の時間内で実践することができた.なお, この授業の評価については, 2報で報告する. 最後に, 新学習指導要領「家庭基礎」では, 住生活は「家族の生活と健康」で取り扱われている.しかし, 今回のようにライフステージをもとにした授業構成も可能である.また, このことは, 他の衣生活, 食生活についても同様であると思われる.今後, 「人の一生と家族・福祉」, 「消費生活と環境」, 「家族の生活と健康」の内容まで含めた, 総合的なカリキュラムについて引き続き検討していきたいと考える.