現代の女子大学生の食品に対する嗜好と, うま味を含む五基本味の味覚感受性との関連を調べる目的で, 五基本味識別官能検査と嗜好アンケート調査を行い, 次の結果を得た. (1) 官能検査の結果, うま味と苦味を互いに誤判定, または蒸留水をうま味または苦味と誤判定する率が高かった. (2) 官能検査における味質別の正解数の相関係数より, うま味は, 甘味, 塩味, 酸味とは有意な相関はなかった.またクラスター分析でもうま味は甘味, 塩味, 酸味とは類似していなかった.そこでうま味はこれらの味とは異なる感受性を示すと推察された. (3) 官能検査結果よりパネルを識別能力別に二グループに分け, アンケート調査による食品の嗜好性を比較したところ, うま味食品は他の基本味とは異なり, 嗜好性が高いと味覚感受性も高い傾向が見られた.