蒸パンを電子レンジで再加熱して硬さの分布と水分分布の関係を調べた.蒸パンの2,450MHz帯域における誘電率が大きいから, パン表面でのマイクロ波の屈折角が小さくなり, パンの中心に向かってマイクロ波が進む.このことに注目して電子レンジ加熱した蒸パンの温度分布を想定し, 1個の蒸パンから温度分布に応じた数個の試料を切り出した.これらの試料の水分と硬さを測定し, 単純に水分蒸発した同じ形状の試料の水分と硬さの関係と比較したところ両者の相関関係は一致した.したがって電子レンジ加熱した蒸パンの硬くなることは, 水分の減少によると結論した. パンの電子レンジ再加熱では, パン内部の温度上昇を考慮し加熱時間を短めにすることを提言した.