大学生を対象として, 朝食・昼食・夕食の各食事区分別に食行動や食事の満足感を調査し, 男女差や生活価値観による違いを調べるとともに, 食事の満足感に関わる因子について検討した. 1. 日常の食生活の中では「食卓環境」や「人間環境」を重視する意識が高いが, 実際の「食物選択」では「嗜好性」, 「経済性」や「ファッション・グルメ (簡便)性」といった食生活意識が大きく働いていた.その結果, 一人でテレビを見ながら, おいしく手軽なものを食べるという傾向がみられ, 生理的快適性や精神的快適性, 食の満足感に影響していると考えられた. 2. 性や生活価値観によって食生活意識や食行動, 食事の満足感に違いがみられた.また, 朝食・昼食・夕食の食事区分によって, 精神的快適性に関わる意識が変化し, それが食事の満足感に影響していることも示唆された. 3. 食事の満足感は様々な要因によって多重的に統制されており, 生理的快適性 (満腹感) とともに, 精神的な快適性に関わる要因が重要な役割を担っていることが確認された.