乾燥卵白を使用して濃度が10%から40%までの卵白溶液を調製し, 100℃から160℃までの温度を変えて5分間加熱をおこない加熱ゲルを作製した.これらの物性を明らかにするために, 応力緩和測定をおこなった.応力緩和測定によって得られた緩和弾性率について, マクスウェル模型を2個並列に結合した4要素模型で解析し, 弾性率の E 1と E 2, 緩和時間のτ1とτ2 (τ1>τ2), さらに粘性率のη1とη2を求めた.最長緩和時間τ1に対応する弾性率 E 1はゲルの3次元網目構造の力学特性を反映していると考えられている. E 1については, 温度による大きな変化はみられず, 濃度が増すに従い値は大きくなった.140℃から160℃に温度を上げると, τ1は大きく増加しτ2は減少することが観察された.これらの変化は, 低濃度になるほど急激であった.