すりゴマのテクスチャーおよび物性に及ぼす磨砕時間の影響を調べた.すりゴマ試料は妙りゴマを電動揺潰機により一定速度で5~50分間磨砕した. いずれのすりゴマ試料も26~850μmの広範囲の粒度の粒子を含む不均一な系で, 磨砕後5分から50分間に425~850μmの最も大きい粒子画分が16.9%から2.5%に減少し, 53μm未満の最小粒子画分が37.9%から56.0%に増加した.また表面付着油量は12.3%から22.9%に増加した. 磨砕15分間以上のすりゴマ試料には塑性流動がみられた.磨砕時間に伴い, MMD, k , 降伏値および硬さは減少し, n および付着度は増加した.付着性は15分間磨砕したすりゴマ試料が最も高かった.官能評価の結果, ざらつきはMMD, 硬さは硬さ (Hardness), あぶらっこさは表面付着油量およびねばさは付着度をそれぞれ主とした複数の物性値と対応した.なお, 本研究の一部は日本調理科学会平成11年度大会で発表した.