現在, 住教育は学校教育の中では家庭科の中に位置づけられている.しかし, 取り扱いは現代生活を背景にした教育, 領域としては家庭科の中のほんの一部となっている.実際の教育現場での住教育の指導の実情を明らかにするために, 中学校, 高等学校の家庭科教員を対象としたアンケート調査を行った.その中から, 住居領域は, 中学校, 高等学校ともに時間配分が他領域よりも少ない実情が明らかになり, 教育現場では指導者である教員により扱いが左右されていることがわかった.その理由として教員の専門性や得意, 好き, 嫌いという意識が大きな要因となっていることが明らかになった.すなわち, 教育職員免許法のフィルターを通過し, 採用試験でもっと狭い領域に指向している現在の特性によるものであり, 教員養成を変えていく必要があると考えられる.