食塩負荷ラットに煎茶およびギャバロン茶を飲用させ, 血圧および腎臓組織への影響を検討した. (1) SHRの血圧は, 対照区では4週間の実験期間に168mmHgから202mmHgまで上昇したが, 食塩負荷区では241mmHgまで上昇した.これが食塩負荷煎茶投与群では219mmHg, 食塩負荷ギャバロン茶投与群では217mmHgで, 食塩負荷による血圧上昇を有意に抑制した.これはDahl (S) においても同じ結果であった. (2) 食塩を負荷したSHRSPは, 脳卒中を発症して次々と死亡したが, 煎茶やギャバロン茶を同時に投与した区においては, 全実験期間中での死亡は認められなかった. (3) 食塩を負荷したDahl (S) の腎臓は腎硬化症を呈し, 糸球体の腫大と硝子化, 尿細管の萎縮と再生像が見られた.このDahl (S) に煎茶, ギャバロン茶を投与すると, これらの病理所見は軽減された. (4) 煎茶とギャバロン茶を比較すると, 食塩による血圧上昇抑制効果はほぼ同様の結果であったが, 腎組織損傷の軽減効果については, ギャバロン茶の方が優れていた.