加圧卵黄の流動特性に及ぼす高圧処理の影響を明らかにするため定常流測定とばね緩和測定を行った. (1) 卵黄の流動特性は, 加圧条件により大きく異なった.生および100MPaの卵黄は弱いチキソトロピー性を示し, 200MPaおよび300MPaでは逆チキソトロピー性, 400MPaでは明らかなチキソトロピー性を示し, 圧力に依存して構造変化が起こっていることが示唆された. (2) 400MPaのチキソトロピー特性値は12.8×103Pa・s-1と100MPaの0.09×103Pa・s-1より著しく大きかったが, 加圧時間による増加は少なかった. (3) 加圧卵黄はいずれもベキ法則に従い, 粘稠性係数 K は圧力および時間の増加とともに増加し, 一方, 流動性指数 n は減少する傾向が見られた. (4) Casson降伏値は圧力の大きさ, 時間とともに増加したが30分以上の加圧では低下した. (5) 極低ずり速度によるばね緩和測定で得られた400MPa, 10分間のCasson降伏値140Paは定常流測定での334Paより小さかったことからばね緩和の有用性が示唆された.