旧本人とフランス人の食物に対するおいしさの評価基準の違いを客観的に表すために, 前報のアンケートの結果に基づいて官能検査を行った.パネルは野菜 4 種, パスタ 2 種, 焼き物 3 種, 飯 4 種について, 加熱時間を 5~6 段階に変えた試料の好ましさをそれぞれ評価した. 日本人パネルは野菜の緑色を重視し, 加熱時間の短い硬めのものを好んだ.フランス人パネルは加熱時間の長い軟らかめの野菜を好む傾向にあった.焼き物の焦げ色の強いものをフランス人パネルは好む傾向にあった.飯の色とテクスチャーに対する好みは, 日本人パネルとフランス人パネルでは全く異なった.いずれの場合も日本人パネルの好みは特定の試料に集中し, フランス人パネルの好みは広範囲に分布した.