高校生, 大学生, 社会人を対象に食の満足感に関す高る調査を行った.食の満足感に関する44項目について, 各個人の評価をもとに因子分析を行った結果, 『食卓環境』『ファッション・グルメ性』『健康性』『経済性』『人間環境』『嗜好性』の6因子が得られた. また, 性や年齢による因子構造の違いも明らかになった.高校生男子は『ファッション・グルメ性』『食卓環境』『人間環境』『栄養性』『簡便性』『経済性』『安全性』の7因子, 高校生女子は『食卓環境』『ファッション・グルメ性』『健康性』『経済性』『嗜好性』『人間環境』の6因子, 大学生男子は『食卓環境』『生理的快適性』『パーティ性』『栄養性』『家庭性』『嗜好性』『ファッション性』『簡便性』の8因子, 大学生女子は『食卓環境』『ファッション・グルメ性』『健康性』『経済性』『人間環境』『嗜好性』の6因子, 社会人男子は『健康性』『グルメ性』『食文化性』『簡便性』『人間環境』の5因子, 社会人女子は『食卓環境』『ファッション・グルメ性』『健康性』『経済性』『人間環境』『嗜好性』の6因子が得られた. きわめて多くの要因によって左右されるであろう食の満足感をこのように構造化したことによって, 食物摂取が人間の心理に及ぼす影響を検討していくための基盤ができたと考える.